2017-12-04 13:46:15
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ルクレーティウスが合成語を好んで積極的に用いていることには,ちょうど限られた要素の組み合わせで多様な意味が構成されることから字母をアトムになぞらえるように,既知の単語を組み合わせて新しいものを作り出す面白さに注意を喚起する狙いがあったかもしれない.

2017-12-04 20:46:03
ウェルギリウス『農耕詩』4巻347-348行(t = Parisinus lat. 13043; fol.31r; 10世紀頃)
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Aq·(ue) chao densos diuo(u)m numerabat amores·
Carmine quo captę dum fusis mollia pensa

[Memo:ウェルギリウス『農耕詩』4巻347-348行(10世紀頃のPar.
lat.
13043(archivesetmanuscrits.bnf.fr/ar
一行目のaqueは前置詞a(ab)に接続詞の-queが付いたものでatqueに間違いやすく,実際5世紀頃のキャピタル体P写本ではATQVEで伝えられる.
二行目,女性複数主格のcaptaeでaeを表すのにęが用いられている]

gnosia.info/media/YcBrfc7B9j6P

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2017-12-04 20:49:58
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参考のP写本(digi.vatlib.it/mss/detail/Pal. ).PだけではなくMやRをはじめ多くの写本でそうなっているようである. gnosia.info/media/wRbqnw2vNDHW

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2017-12-04 20:53:46
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あとついでに.
ウェルギリウス『農耕詩』4巻338行は今日一般に削除されている.t写本でも問題の行は本文の横に書き足されているのが確認できる. gnosia.info/media/kHC6GkzcOPcu

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2017-12-06 22:05:37
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2017-12-07 16:34:34
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M.L. West校訂の『オデュッセイア』(Odyssea, M.L. West(ed.), Bibliotheca Teubneriana, Walter de Gruyter, 2017)が出ていたので入手しました.Westは2015年に亡くなったので完成を見ることはできなかったのですね.序文の最後にStephanie Westの言葉が付いています. gnosia.info/media/7RTQNmty6Asr

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2017-12-08 13:05:56
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Haupt, M., 'De Lachmanno critico. Rede, gehalten beim Antritt des akademischen Lehramts in Berlin (12. August 1854)', in Neue Jahrb. f. das klass. Altertum, Gesch. und dt. Lit., 14. Jahrg., 27, 1911: 529-538.

ドイツの古典文献学者カール・ラッハマンについて彼の弟子モーリッツ・ハウプトが行なった講演(言語はラテン語).ハウプトのラッハマン観がよく現れていると同時に,後世のラッハマン理解に決定的な影響を及ぼしたと考えられる論考.
[以下,要約・雑感を非公開返信で付けます]