ルクレーティウスが合成語を好んで積極的に用いていることには,ちょうど限られた要素の組み合わせで多様な意味が構成されることから字母をアトムになぞらえるように,既知の単語を組み合わせて新しいものを作り出す面白さに注意を喚起する狙いがあったかもしれない.
ルクレーティウスが合成語を好んで積極的に用いていることには,ちょうど限られた要素の組み合わせで多様な意味が構成されることから字母をアトムになぞらえるように,既知の単語を組み合わせて新しいものを作り出す面白さに注意を喚起する狙いがあったかもしれない.
Aq·(ue) chao densos diuo(u)m numerabat amores·
Carmine quo captę dum fusis mollia pensa
[Memo:ウェルギリウス『農耕詩』4巻347-348行(10世紀頃のPar.
lat.
13043(http://archivesetmanuscrits.bnf.fr/ark:/12148/cc741629)).
一行目のaqueは前置詞a(ab)に接続詞の-queが付いたものでatqueに間違いやすく,実際5世紀頃のキャピタル体P写本ではATQVEで伝えられる.
二行目,女性複数主格のcaptaeでaeを表すのにęが用いられている]
#exerc_palaeogr_lat https://gnosia.info/media/YcBrfc7B9j6Puw9FlyY
参考のP写本(https://digi.vatlib.it/mss/detail/Pal.lat.1631 ).PだけではなくMやRをはじめ多くの写本でそうなっているようである. https://gnosia.info/media/wRbqnw2vNDHWwgrMUPY
あとついでに.
ウェルギリウス『農耕詩』4巻338行は今日一般に削除されている.t写本でも問題の行は本文の横に書き足されているのが確認できる. https://gnosia.info/media/kHC6GkzcOPcuGHV02Og