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収蔵作品のご紹介:双耳縦モール花器
(18世紀|ヴェネチア)

ヴェネチアン・クリスタルの花器で、縦モールというヴェネチアン・グラス特有のモール型による装飾法が使われている。ガラスの厚さの肥痩による光の曲折を利用した装飾法で、透明なガラスの性質を巧みに生かした技法である。ヴェネチアン・グラスには、均質なガラスの無機質な冷たさをやわらげるために、いろいろな装飾法が採られていたが、これは最も代表的な技法であった。双耳柄も撚った縄目状のガラスが使われていて、本体のモール文様に対応するように配慮されている。
また首部の下部には波状のガラス紐飾りが付けられ、垂直の線を横線で切って、絶妙のバランスを作りだす役割を果たしている。18世紀ヴェネチアン・クリスタル・グラスの一典型例である。

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