フリーズする母親を置いて、俺は父の書斎を後にした。
その後、何が起こったのか、俺は知らない。
あの「黒人ビッグコック vs 大和撫子熟女！！日米スケベ対決でどっちが勝つ！？」というカスAVがどうなったのかも、知らない。

ただ一つ言えることは、男の部屋の引き出しを開けるな。そこには夢と希望と幻滅が入っているってことさ。

さぁ、眠くなってきたろ？目を閉じておやすみ——

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やあ、眠れないのかい。どれ、俺が昔話でもしてやろう。

俺が小学生の頃な、親父の書斎のデスクを母親が掃除するって言うんで、付き合ってたことがあったんだ。
バブル期の銀行員だった親父は、でっかい木製の高級デスクを買っててね、そこに趣味で集めた硬貨のコレクションや、大切な契約書などをしまっていたんだ。

しかし俺は知っていたんだ。実印などが入っているカギがかかった引き出しの下の段、カギのかかっていない引き出しに、親父の秘蔵のコレクションが入っていたことをさ。
そう、それは「黒人ビッグコック vs 大和撫子熟女！！日米スケベ対決でどっちが勝つ！？」ってでっかく書いた、ひでえAVさ。
そんなことを知らない母親は、親父のデスクの引き出しをどんどん開けて、掃除をしていく。
そこで俺も男だ、親父を守りたくなった。

「なぁ、おかん。もしかしたら引き出しにAVでも入っているかも知れん。親父がいない今に掃除をするのは、よくないよ」と母親に言ったのさ。

小学生から「AV入ってるかもよ」と言われて、まぁ、親父への侮辱だと感じた母親は俺を怒ったね。「そんなわけないでしょ！」と。
俺も諦めて「好きにしなよ」ってその場を離れようとした。そこで母親が、禁断の引き出しを開けて、例のブツを見つけやがった。

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僕のところへ来なよ。守ってあげる

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