19:41:49 @softark@kotobaphil-mtdn.eu
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有機農業勉強会 1/N

Mさん(我が集落に移住してきたアパレル・デザイナー)夫妻が主催し、その筋では有名な保田進さんを講師とする有機農業勉強会に参加した。

Mさんに勧誘され、Nさん(妹)に「あんた興味あるでしょ?行ったら?」と勧めたら「用事があるので代りに行って」と言われ、断る理由が無かった。誘い合わせた訳ではないが、Hさん(この人も移住者)もMさんに勧誘されて来ていた。

ざっと会場を見回したところ、参加者はHさんのようなアラカンの女性が最も多い感じ。私のようなアラコキ男性があと一人だけ、奥さんらしい人と一緒に来ていた。次に多いのは若い女性で、その三分の一ぐらいは配偶者らしい男性 AND/OR 乳幼児と一緒に来ていた。よくよく見てみると、若いソロの男性も数名来ている。

講師保田さんは「有機農業」は有機肥料を使う農業というよりも、自然の摂理・機序を活用する農業だと言う。「山の木や道ばたの草は肥料や農薬を使わなくても元気に育つでしょ?そういう自然の仕組みを使うのです」と。

20:20:14 @softark@kotobaphil-mtdn.eu
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有機農業勉強会 2/N

有機農法では、(1) 農薬を使わない、(2) 化成肥料を使わない、というのが一般的だが、重点は (1) の方、無農薬ということにあるらしい。(2) の化成肥料の方は、団粒構造を持つ良い土壌を作るために使用を避けたい、という意味合いが大きい。

ただし、これは保田さんが言ったことではなく、私の解釈である。

50年前、1970年代初頭に、野菜や穀物の残留農薬が非常に大きな社会問題になった。たとえば、牛乳がひどく汚染された。そればかりか、母乳から牛乳の基準値を上回る残留農薬が検出された。

これは良くない、という事で、当時全国農協中央会理事でもあった一楽輝雄氏が1971年に全国有機農業研究会を設立したのが事の始まりであった。

一楽氏曰く「母乳を汚すような食物が本物の食物と言えると思うか?」と。

以上が、何故有機農業か、という話。

どうやって有機農業をやるかという技術的な話は、今回はあまり深いところまでは聴けなかったが、広葉樹林の地面にある腐葉土のような土を作ること、というのが目的として掲げられる。

20:42:19 @softark@kotobaphil-mtdn.eu
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有機農業勉強会 3/N

広葉樹林の地面でどのように腐葉土が出来るか、と言うと、落ち葉が腐って土に復る訳だ。そうやって出来た腐葉土は、団粒構造があって、ふかふかしていて、適度な保水力があって、植物の生育に適している。そういう土を作るのが有機農業の技術的な目的となる。

しかし、腐葉土を作ろうと思って落ち葉を拾ってきて農地に鋤き込んでもダメ。落ち葉が完全に腐食するのに5年かかるからだ。下手に生の葉っぱを土に鋤き込むと、好ましくない腐敗が発生して、ネキリムシなどの害虫が住むことになる。

講師保田さんの薦める方法は、(1) 完熟した牛糞堆肥、(2) 氏の考案になる「保田ぼかし」、(3) 刈り取った雑草によるマルチングの3つが基本となる。

(1) の堆肥は元肥。土壌の団粒構造化を促進するために植物繊維の多い完熟した牛糞を使う。鶏糞はダメなんだって。

(2) は、米糠、油粕、魚粉、蛎殻骨粉を乳酸発酵させた比較的速効性の肥料。材料があれば自分で作れる。

(3) は、地面を直射日光から保護して、表面の湿り気を保つための工夫。

この先は割と細かい技術論になる。面白い話もあったが割愛。

21:15:17 @softark@kotobaphil-mtdn.eu
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有機農業勉強会 4/N

話の最初に参加者の男女比や年齢構成を少し書いた。どういう人がどういう動機から有機農業に関心を持っているのかということに関心がある。

そう言えば、妊婦さんも一人いた。食の安全について切実な考えを持つ女性が多いのはよく分った。

主催者であるMさんの動機は明らかだ。彼自身によれば、「アパレル・デザイナーとして、かっこいい服を作りたい。そのために何が必要かと考えた。結局、かっこいい服を作れるのは、かっこいい人間だ。従って、私はかっこいい生活をしたい」ということで、農を含めて、循環型で持続可能な生活をしたい、という事だ。

冷笑したり揶揄したりする気持ちは全然ない。

印象論に過ぎないが、30歳代の人たちの中に、びっくりするほど率直に自分の価値観に従って生活を構築していこうとする人が多いように思う。

残り時間の少ない自分としては、やはり、うらやましく思う。

21:50:49 @softark@kotobaphil-mtdn.eu
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有機農業勉強会 5/N

最後に、有機農業(自然農法と言っても良い)の経済性(効率)は避けて通れない問題だと私は思っている。

有機農業だけをやって生活できるか。出来ないと思う。

どんなに産品の付加価値を高めても、有機農業のやり方でやる限り、大量生産は出来ないから、農産物を売って得られる現金収入では生活できないと思う。

いや、Hくん(元同僚プログラマで現在専業農家)が消費者への直販によってやっているらしいから、出来るのか?一度、詳しく聞いてみたい。

それは、それとして、普通は困難だと思う。

それよりも、そもそもの話として、有機農業は自家消費を前提として、小規模なものにとどめる方が健全な姿を維持しやすいと思う。

こういう風に言うと、結局、有機農業というものは、生活に余裕がある人が他で稼いだお金を注ぎ込んでする趣味みたいなものだ、という話になりやすいかな。

有機農業は長時間の手作業を要求するものなので、コスト高であることは否定できない。

飽きてきたので結論みたいなものに飛びつくが、兼業としての農業の新しい形を具体例として示してくれる人が出てくると良いなと思う。

22:47:14 @softark@kotobaphil-mtdn.eu
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君が愛せし綾藺笠
落ちにけり落ちにけり
賀茂川に川中に
それを求むと尋ぬとせしほどに 明けにけり明けにけり
さらさらさやけの秋の夜は

梁塵秘抄で憶えているのは、これと「遊びをせんとや生れけん」の二つだけ。京都の夜というと、真っ先にこれを思い出す。

今の季節なら、路面電車のパンタグラフからこぼれ落ちる火花(これは実際に見た)と、「六月の都会の夜の空」という言葉を思い出す。稲垣足穂。京都じゃなくて神戸だけど。

22:54:27 @softark@kotobaphil-mtdn.eu
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@moran_aoki

The Band って、私の知っている "The Weght" のあのバンドですか?