ステルス Muse Dash みて
あー……なんか今すっごくきもちいい……かも……
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ふかふかのベッドを深く味わっていると、背中から頭にかけて心地良い快感が通り抜けた。通り抜けてはないかもしれない。たまっている。
脚が勝手にシーツの感触を求めて蠢く。下半身から吸収された快感は、次第に一箇所に集まっていく。
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「っ……ぅんんっ……ハぁっ……」
自分の身体が言うことを聞かなくなってくる感覚。完全にエッチなモードになっちゃった。どうしよう……。
「いっ、うわ……」
脱げかけているホットパンツの隙間を縫って秘部に指を這わせると、くちゃっという音が部屋に響いた。
『あのスライムな、倒した後のヌメヌメ感が愛液そっくりなんだよ』
『みんなが飯食ってるときにそんな話しないでくれない?酒ぶっかけるよ?』
「スライム……うう……」
冒険中にスライムに負けちゃったらこんな感じにヌメヌメのぐちょぐちょにされちゃってたのかな……。ちょっと良い……。
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「……」
(あれは……)
あんなに長く感じた列車の旅もない。できれば思い出したくもない。それぐらい自分にとってあの左遷はショックだった。写真でこそ窓から映る黄昏の空は幻想的だが、当時の自分はそんなこと気にする余裕なんかなかった。
「……」
(暇だったなあ、これ……)
何で空気輸送の寝台列車の食堂車なんかに、と今でも思う。1 日に 1 人会えればいいほうだった。それぐらい、あの環境は過疎ってた。
でも不思議と気が狂ったりはしなかったな、あれ。むしろ今までに感じたことのない安心感すらあったかもしれない。だとすればあれは私をギルドから離して休ませるためだったりしたのかなあ。そうだとしても友達ぐらい一緒にしてくれてもいいのに。
「はぁ……んっ、んぅ〜〜……」
通りの喧騒もひとしきり静まった夜更け、彼女はばふっと布団に倒れ込んだ。
(今日はもうくたくたぁ……ウェェ〜)
昼の部はギルドとしてカウンターで依頼取次、夜の部は酒場としてウェイター(?)兼話し相手。いつもならば夜の部はメープルが手伝ってくれるのだが、今日は泊まりがけでお出かけだということでいなかった。つまり、終日ワンオペだった。
「すごいなあ」
(夜カウンターも楽じゃない……今度もっと労ったげないとなあ)
仰向けになり、焦点を合わせる気力もない両眼で天井を眺める。ゆるやかな曲線を描いている木目を視線でなぞる。やがて壁に到達し、そこからゆっくりと目線を下ろす。
――――――――
「……あぁ」
(こんなこともあった……)
あのときはびっくりするより先に怖くなってしまった。まさか自分に冒険者としての資格があったなんて思いもしなかった。川越え山越え空を越え、その旅の果てに見つけたのは……サイドバング、通称もみあげだった。どんな旅だよ、と自分でも思うものの、あのもみあげも今となっては自分の大事なチャームポイントだ。
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