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キューピーの業務用パスタソースほしえぬがうまいと聞いたので買ってみたら確かに良い感じ

17:17:26
📚 アリステア・マクラウド『冬の犬』
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い、いぬー!ってなった。いや、良い話だったし、そのとき犬がいてくれて良かったけれども。
真冬の流氷の上、とんでもなく寒そうだった。
"水のなかに落ちたときに最初に抱いた感覚は、安堵や安らぎに近いものだった。最初は、氷の上にいるときより暖かく感じられたからだ。それは最も危険な錯覚で、すぐに着ているものが重くなっていくのがわかった。"
"暗い海のなかへ、引っぱりこまれていくほうが簡単なような気がした。"

『灰色の輝ける贈り物』があまりに良かったので一気に読んでしまった。
前作は炭坑の話がやや多めで暗闇を経験した者の重さがあったが、こちらは明るく開けた中での捨て置けないものみたいな話が多かった。

特に『完璧なる調和』が良かった…。早くに妻を亡くした男と、ゲール語の歌の話。
テレビに出て歌ってほしいが、長いから削ってくれと言いだすプロデューサーと、歌っているものを考えると縮めるという考え自体がわからない、みたいなエピソードが出てくる。こう書くと硬いけどやっぱり淡々と、できないよなあみたいな感じ。最後も良かった。

『島』はすごかった。あまりにさらっと書くので、えっ今何しました…?っていう所の場面を二度振り返ってしまった。

これらの短編集、1968〜1999年の作品なのでそこまでめちゃくちゃ古いわけではないのだけれど、既に民話・伝説の域に達しているような感もあり、でも似たようなことは実際あったのだろうなあという気もし、ふしぎな狭間。

核家族化云々とかが問題視されていた頃だと逆にあるあるで流されてしまう内容なのかも。もうそれも過ぎた後だと、伝説みたいな印象になってくるのかもしれない。現代のあれこれも50年もしたらそうなっていくのかな。GPTにあたふたする我々とか。