22:43:48
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アリステア・マクラウド『完璧なる調和』読んでいて、ゲール語の歌ってどんななんだろうと思ってぐぐって聴いていたのがちょうど作中に出てくる「フィーラバータ(船乗り)」って曲だった。

この方はたぶん若いけど声が優しくて良いなー。
Alison Helzer - Fear a Bhata
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J.M.シング『アラン島』読んだときに聴いたキーン(哀歌)は本当に物悲しい感じだった。
Traditional Irish Keening Song - Cití Ní Ghallchóir / Kitty Gallagher (1951)
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16:28:38
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炭坑つながりで、漱石せんせの『坑夫』思い出す。あれ結構異色?な気するけど地味に好きだな。あと『二百十日』が好き。一番好きなのは王道に猫だけど
そして全然本筋じゃないが、坑夫は崩れかかった藁葺き屋根に対する表現、"夜と屋根の継目がわからない"が最高なの何度でも言いたくなる。
猫は"八つ口の綻びから秋風が断りなしに肌を撫でて"という宇宙一えろい表現が好き。対象は苦沙弥先生だが…

16:10:42
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ちなみにアリステア・マクラウドは、イサク・ディネセンの感想を載せていた方のサイトで知った。今のところこの世で一番好きな作家イサク・ディネセン
あの辺、古ノルド語のケニングが無意識に根底にある感じなのかな…。クジラの道=海とか、カラスに餌をやるもの=戦士とか、ああいう表現がめちゃくちゃ好きでな…

15:58:46
📚 アリステア・マクラウド『灰色の輝ける贈り物』
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とても良かった。すごい表現力の文章だった。
海風に晒され岩だらけの土地で、大事なものをよくわかって生きている感じとか、炭坑のこの上なくつらい仕事から離れたくて離れられない感じとか、淡々としているのに伝わってくる。

マクラウドって姓でアイルランド・スコットランド辺りの話かなと思いきや、カナダのケープ・ブレトン島の話らしい。ただ実際移住してきた人たちが多かったようだから、雰囲気はそちらに近かった。
J.M.シング『アラン島』に環境は似ているのかな。内側から書かれているから厳しさはこちらの方が強かったけど。

自然の厳しい地域ほど文章の裏側に諦めが漂っている気がする。読んだことのある中では、ケルトの島々とロシアとアフリカに強く感じる。でもどれも違う味の諦めなんだよねふしぎだ。
日本も自然に対する諦めはある方だと思うので、たぶん何かに表れていると思う。

『広大な闇』が一番印象に残ったかなあ。一番エグみもあったかもしれない。
同作者の別作品も続けて読んでみようと思いました。

(抜粋)
「僕、今日、出ていくよ」とできるだけ短く言う。
祖母はストーブのなかをつついて火をかきたててから、答えた。「それがいいよ。どうせここじゃ、人は何もできないからね。ここで人が何かできたことなんか、ありゃしない」