ようやく読み終わった。長かった……読み始めたの春くらいだった気がする。読んだり読まなかったり読み返したりしてたからなあ。
命の多様性の暴力にさらされてしみじみと命について考えている。ロミオ作品はいつも命の定義を広げる話をしてくれるなあと思う。人間だけがすぐれた思考能力と知性を持っているという思い込みを破ってくれる。
命は普遍的なもので、そこにある物体や見えない空気や電磁波も、万物に光のほうへ向かう力が存在する。万物が手を取りあって世界に満ちれば、想像もしないことだって起こせるかもしれない。
本や作品に接すると、これはフィクションだから、虚構の話だから、という現実の判断がしばしばよぎるけど、虚構と現実の断絶なんてほんとうはないのかもしれない、って気持ちにさせられる。もともと私は虚構と現実の区別をつかなくさせる作品のことが好きだけど、そんな境目を勝手に引くのはもったいないことなんじゃないか?って改めて思わされた。
「しょせんおとぎ話だから」なんてどんな作品にも二度と言えないなって思っちゃった。ゆるやかに衰退しつつある地球で、どんな魔法が使えるのか考えてみようってわくわくしている。いつかきっとおもしろおかしい世界にできるように。