歌碑「飯坂の はりがね橋に雫する あづまの山の 水色のかぜ」

「飯坂の はりがね橋に雫する あづまの山の 水色のかぜ」 この歌は明治四十四年（一九一一）夏、夫、与謝野鉄幹とともに、飯坂温泉に来遊した時、与謝野晶子の十綱橋を詠んだ歌である。当時晶子は三十三才であった。 そもそも晶子は明治十一年（一八七八）十二月七日大阪堺市に生まれ明治三十四年　第一歌集「みだれ髪」の発刊をはじめとし、歌集二十詩集一、評論十三と沢山の著書を世に送り、昭和十七年（一九四二）五月二十九日、六十五才にて世を去った。 遺稿歌集として「白楼集」もあります。この人こそ明治、大正、昭和にかけて、我が国の生んだ有名歌人ではないでしょうか。 当、観光協会では、この飯坂温泉十綱橋の文学的香り高い一首を、永遠に後世に伝えるとともに、与謝野晶子の文学味の漂うものを十分に、この歌碑より当時の面影を汲み取って頂き、飯坂温泉のよき旅の思い出となることを願い、建碑致しました。 昭和四十三年八月十日 飯坂温泉観光協会