映画バービーめっちゃおもしろかった
今週の虎に翼で少し気になったのは、寅子が弁護士として信頼を勝ち得ていく過程で、職務的な誠実さが寅子にも雲野先生にも欠けていたところだった。
「社会的地位の証明としての既婚者というステータス」が重要な意味をもっていたであろうことは確かだと思う。
でも、依頼者との信頼関係を築くことが何より重要な仕事の場では、それはごく一部にすぎない。そもそも名刺を出して名乗った時点では、既婚者なのかどうか、依頼者には判断し得なかったはずだ。
依頼者が不安に思っているであろうことを先回りしてケアするなり、依頼者が何を不安に思っているのかを聞き取りつつ解消の手立てを考えるなり、それこそ「寄り添う」方法を真摯に考えることが何より重要だったと思う。おそらく実際の女性先駆者と彼女たちを支える周囲の男性たちは、そのようにしてきて、そして今があるのではなかったか。
作劇上の必要性を差っ引いて考えても、実際の職業人の多くが大切にしている職務上の誠実さが、ちょっとないがしろにされすぎていたように思う。