🏖️ 山川 夜高 / YAMAKAWA Yodaka
6/1 COMITIA152 東2【け-05b】シーサイドブックス
6/15 文学フリマ岩手10 【A-08】シーサイドブックス
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小説、絵、装丁・デザイン
本編は小説で登場人物の絵を描きます
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恋愛を主題とした作品に興味を持てないので、自分では作らないし他の方の作品へも反応しないです。ご了承ください。
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iPhoneでぽちぽち書いた 推敲していない文章です!
けっこう判断に困るというか、一言で感想を言えない。
エンタメに振り切った部分やサウンドトラックはいくらでも褒められるし、アメリカの黒人差別の歴史・アイルランド移民の歴史・音楽史の「罪」に関してもいくらでも深掘りできるが、それはそうと映像自体には何とも言えないB級感があり、それが本当に不思議な余韻を残している。妙なB級感のせいでスプラッターシーンに悲壮感があんまりなくて、景気良く血が飛び散る爽快感だけがあり、人が死んだ数と比較してなぜか喉ごし爽やか。
なんだろう、社会派&音楽界の『コマンドー』というか、いい歳して『コマンドー』好きなんですと自己紹介するのが恥ずかしいときに、代わりに『罪人たち』が好きなんですって言ったらいいかもしれない?
B級映画として与太話を無限に紡げるし、音楽史と西洋史としても延々と語れる不思議なバランスがある。
B級映画としての見どころ
- ワルのスーパーマリオブラザーズ
- 味方に一人は魔女と聖職者が必要だと思った
- リゾネーターギターの金属部分には対魔の効果がある説
- 誰かがタンスの角に小指ぶつけたら全員悶絶するのかもしれない
- よく考えたら主要人物のうち2人はフル○ンで死んでる
黒人vs白人の構図を人類vsヴァンパイアに例えているかと思ったらアジア系移民(中国人)も入ってくる(黒人社会で認められて関係を築いているあのアジア人家族ほんとうにすごいと思うんだ)。
そうかと思えば途中から黒人vs白人の構造は崩れて 個人vs皆が混ざり合う共同体 の対決になる。
アフリカ大陸から来た古い「精霊」あるいは「悪魔」がブラックミュージックに魔力を与え、黒人のブルースと白人のフォークが出会いロックという一大ジャンルが花咲き、ブラックミュージックはヒップホップとなり現代社会に強烈な力をもたらす。そんな音楽史の美しい(美しいと私はすごく思う)連なりとその魔術性を作中1930年代から予感させる中盤のシーンはとても感動的。
一方白人ヴァンパイアも、人間を取って食う点以外は虐げられてきた可哀想な人たち(アイルランド移民)で、音楽と踊りで日々の苦役を慰めるような辛い生活を送っている。
フォークミュージシャンが黒人のブルースギターを求めるという筋書きがやっぱり音楽史をなぞっていて、果たしてヴァンパイアになること=皆がひとつの家族になることが悪いことなのか良いことなのか分からなくなる。(だって皆フュージョン好きだよな、私も好きだ)
実際にラストで、ヴァンパイアになったから人種差別を乗り越えて愛する人と添い遂げられた登場人物なんかも出てくるわけで。
団結して悪と戦うことと、個人が一つの塊(家族)に混ざり合う危険な誘惑が拮抗していた。
作中すべてに対して、双子の主人公を中心にさまざまなことが対になるように要素が抽出されているが、人間vsヴァンパイア、有色人種vs白人、ブルースvsフォークというような単純な二項対立の良し悪しで語れないように周到に描かれているように思う。(ワンシーンだけ登場したヴァンパイアハンターはたぶんネイティブアメリカン? あれも今思い出すと不思議なバランス)
でもKKKは絶対に悪い。こんなに二項対立を周到に避けても、相対主義に陥らず、絶対的な道徳的悪が存在することは主張する。やっぱりこのバランス感が不思議なんだよな〜
「色々語りたくなる作品は名作」だと思うので、私は名作だと思います。
ちまたの批評家の絶賛をきいて映画を観に行くと、B級カルト映画感にびっくりするかもしれない。
本当不思議な作品なので、まあ、手前味噌ですが『ファング』読んだうえで『コマンドー』が好きな人にはいいんじゃないでしょうか!
1.ヴァンパイアがアイリッシュなのは、ストーカーが『吸血鬼ドラキュラ』を本当は出身地のダブリンを下敷きにして書いた(作中では東欧になっている。これは東欧へのオリエンタリズムによる)からだと思う
2.感想
映画を一緒に見てくれた小町さん「コンサーティーナ練習しよう(仲間にされたときすぐセッションに加われるように)」
山川「魔除け用にリゾネーターギター買おうかな……」
1.
話のまとめ方もなんか本当に独特というか、生き残った人間が生き残ったヴァンパイアに対して「惨劇は本当に恐ろしかったが、そうなる前のあの日は楽しかった」と、ヴァンパイアを許さずに、でも良かったことは認めるという、やっぱり善悪二項対立に陥らないような着地をしている
要素の多さの割にプロット自体はシンプルに「双方ほぼ壊滅」なので物語はすっきり見やすい(し謎の清涼感がある)が、個々の要素はシンプルな二元論で語られることを避けるような描かれ方をしている
2.
音楽史においては異文化の音楽の融合は本当に魅力的で、ブルースギターを欲しがるアイリッシュには同情できるし、ブルースとフォークが出会ったあとの素晴らしい音楽の数々をすでに私(たち)は知っている、その点は感謝しかない
一方、音楽を離れて考えると、ヴァンパイアになる=みなが知識と感覚を共有する家族になることは、インターネットのSNSの言論空間の比喩なのかもしれないな……と。
つまり、完全な一体化ではなく(ヴァンパイアにならず)、排除もせず、己の信じる道を行け……というのがメッセージ……なのかな……
3.
それはそうと、もしヴァンパイア襲撃がなくても翌日のKKK虐殺返しは兄弟でやる予定だったんだろうな……と想像するとやっぱり味わい深い
一人で全部済んだからふたりいたら過剰火力だろ
🎞️ホラー映画『罪人たち』の怖くないシーン
30年代デルタブルース、50年代のエレクトリックなシカゴブルース、ロック、ヒップホップ、クラブミュージックへの連続性と、そこに息づく精霊の魔力(そこには他の人種の移民も仲間に加わることができる……)
Conjuring The Past & Future | Sinners | Prime Video
https://youtu.be/DTnx-wRHJ1Q
いやなんか本当に今『Drive to Pluto』に必要なキャラクターはブードゥーの魔女じゃね? と思った
聖職者はなぜかもういる
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「みんな太陽を甘やかしている。自分だったら絶対に許せない。週6でトイレ掃除させる」
「便座に自分の顔が映るまでピカピカに磨きな」
https://misskey.design/notes/a942bmknpx7j0x87
RE: https://misskey.design/notes/a93v6w8ggxth0mxc
「一方そのころヒサシも許せなかったのでそっちは外の灰皿(きたない)を磨くように言いつけている」という筋書きが当初あったのですが、文字数の都合と、謙太の視点がブレるので、ヒサシの強制労働はボツになりました。たぶんどこかのタイミングで働かされていると思います。
#novel_fang #SeasideBooks_与太話
いろいろ書いたけどいい映画だよ
ロックやヒップホップなどのアメリカ音楽が好き、かつPG12程度のバイオレンスが平気で、差別や苦難の歴史に思いを馳せられる人は楽しめると思う