酸素鏡、宮沢賢治ネタが色々出てるのかな 読まねばち
一般目線で見れば酸素鏡冒頭の酸素って「子供が轢かれそうなのがわかっているのに明確に止めず二者択一を迫る酷い人間」なんだけど、そもそも「子供が死ぬのは当然避けなければならないことだ」という前提が運命視を持たない者の常識であって、運命の前には等しく事象が存在するのみ、となるならば、そこにいる子供がクワガタを捕まえた喜びの絶頂の中死ぬかクワガタを捕まえられず生き延びるかには等しく価値があり(あるいは価値がなく)、酸素が何かを選ぶべくもない、ということなんだよな
酸素は今そこにある事象にこうしたいやこうしたくないを選ぶ立場になく、自ら選ぶべき健輔こそそれを選べるというか
寡聞にして存じ上げなかったのだがゴジラにでてくるオキシジェン・デストロイヤーという兵器は起動させることで周辺の酸素分子を破壊し尽くしその中にいる生物は呼吸ができなくなって死ぬ、みたいな兵器らしく(まさしくオキシジェンをデストロイだね)、それを作った科学者は今後戦闘等で兵器に転用されないため自らの記憶(命)ごと技術を抹消しようということで、研究データをすべて破棄した上で自らゴジラの近くで自分の手でオキシジェン・デストロイヤーを起動させた、みたいなエピソードらしい 強い
この辺の情報もあるかないかで読み方変わりそうだよな 元ネタ全部履修したいよな……やっぱな……
酸素鏡の英題の感じがハムレットの生きるべきか死ぬべきか〜っていうフレーズの原文に似てるっての教えてもらってほんとだ〜とおもった
えがうちくんの左手って自我うちくんなのかなあみたいな話もした 右手には金銭と地位を得た証である指輪とかのたけ〜装身具ジャラジャラに対して何もつけてない左手というのがある種聖域というか
守雄にガッ!バーン!ビターン!ってして左手でパンチ寸止めしてたのも、直前に健輔が「金を得て何をして、何を楽しんでるの?」という問に対し、一般論的な回答でお茶を濁し自分の意思を覆い隠してしまうことに苛立ちがあったのかもな、とか
健輔の「”アンタは”どうして、どうなりたいの」という質問に対してえがうちくんは「”一般的には”このようになっているのだ」という回答は応答責任を果たせておらず、対話としてもちょっとズレてしまっているからあそこでは健輔もいまいちピンときてないのかな〜と思ってる
えがうちくんはお金が動くような事態というのは自分と無関係に過ぎて終わって勝手に発散したり収束したりするもの、っていう意識があって、同じように事態から爪弾きにされがちな末真が意地でも事態に噛みつこうとする姿勢と表裏一体な感じはある
未来ある限り、人とは常に何かに”到達”することのできない中途半端な存在だから、えがうちくんが言ってるお金の流れみたいに「お金を流し新しく流れ込んできたお金をまた流す」の中継地点的考えもまた間違いではないんだけど、それにただ乗っかっているだけでは永遠に普通なだけだ、みたいなことなんかな
たとえ半端だとしても何かを感じ、考え、残すようなことをする、それにこそ価値が生まれる、のような
エンペロイド金貨も発端はただの偽金作りではあったんだけど、製作者たちが本物よりも立派に作ろう、としたお陰で本物より価値が上がってしまった、空虚なまがい物でも価値を生み出せるという姿をこそ寺月恭一郎が自身に重ねた姿なのかな、というのも話しました
かと思えば事実上世界の支配ができるいわば”本物”である酸素は、しかしそこに明快な指向性がなく、それ故ただ空虚になるしかない、という捻れがあって、そういう風に本物と偽物は価値に作用し合いながら存在する螺旋っつーこと(ここで螺旋のエンペロイダーのタイトルが出る)
元ネタを履修して造詣を深めることも大事だけど、あの辺の話って結局実感としてどう落とし込むかみたいな感じだと思うから、生活をしていく中でそれについて考えるしかないみたいなのあるよね
俺は地味に酸素が質量について加速度で割って算出云々みたいなことを言ってるのが好き 文系みたいなツラをして理系の話をしている
非科学と言える能力を有しながらも科学知識も一応持っていて(高校か大学序盤くらいか?)、なんかそういう知識がある上で不思議なことを言ってるんだなあ〜〜〜って感じがこう かっこいい 好き
オキシジェン・デストロイヤーを調べる過程でそういえば酸素原子は不安定ですぐ他の原子と繋がりたがるんだったな、となり、じゃあ酸素は他と繋げられる能力なんやね……みたいなことも話し、良かった
酸素自身が何より己を他存在(人間、動物、植物、無機物などなど)と繋がっていなければ成り立っていないと感じているみたいなとこもあるのかもしれないわネ……
空気とは世界を満たすものであり、人と人の間に存在するものである、という そういう意味で自分を酸素のようだと感じるからオキシジェンと名乗りがちなの?どう?酸素
酸素鏡は酸素とロキがラブラブで良い オタクあるあるの推しとネコチャンを絡ませるやつを公式がやってるのアドい
凪とか朱巳みたいに己という存在のあり方を強く世界に刻んでいる者と対称的に、酸素は人と人の間に流れ、他者に認識されることでしか世界に存在し得ない者って感じが神様めいてて良いよね 空虚だ
NSFWのニュアンスに近いのって「背後注意」な気がしている どっちもまあ「後ろに人がいる環境で見るなよ」みたいな意味だし
背後注意のニュアンスって結構幅広いよな ぬるエロからちょっとスケベなポージングまでカバーしてる気がする
酸素鏡の原題と英題の違いについてさらっと調べたけど、原題は「酸素は鏡に映らない」となんというか事実を淡々と述べているような雰囲気なのに対して、
「No oxygen, not to be Mirrored.」はまず「酸素がない、反射できない(しない)」みたいな直訳になって、原題のさらっとした雰囲気からは離れるんだよな
更にnoはnotより強調の意味合いが強いらしく、またNo oxygenが先に来てることから「酸素がない」ことを強く主張したい?となると、「酸素がなければ鏡に映らないよ」みたいなニュアンスになるのかな?と思った
だから酸素自身の特性を語っているように見える原題と違って、英題ではむしろ鏡に映すためには酸素が必要です、みたいなことを言ってるんか?と思う
鏡=他人に自分を映すためには、他人と自分の間に酸素という必要不可欠で、毒で、劇物なそれが満ちていなければならず、それを取り込んで生きていくしかない、というような意味……?
池ヶ谷守雄もまた神矢レイジのまがい物の状態だから、池ヶ谷守雄はどのように価値を見い出せるか?みたいなことも踏まえて読みたい
第三の男の主人公もホリーなのか ティファニーで朝食をからのHollyかと思ってたけど第三の男の方が近いのか?
酸素ってなんでわざわざHollyにwoodをつけたんだろう 柊を示すならホリーだけでも成り立つと思うけどな
名前につける意味というか、言葉の意味というものが流動的で、また個人名という初歩のアイデンティティを曖昧にすることで個人としての空虚さを示す とか?