17:21:34 @narano@mstdn.jp
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先日、映画『無名』(2023年)日本語字幕版を観てきたので覚え書き。

公式サイト
unpfilm.com/mumei/

 
梁朝偉(トニー・レオン)と王一博(ワン・イーボー)ダブル主演。

正直なところ、なにが起こっているのかを最初から把握しつつ観るのは難しい構成になっていて、そこに私のもともとの理解力の低さが加わると……ううう。歴史的な背景も事前にもっと押さえておいたほうがよかったかも。

とにかく色味を抑えて光と影の明暗の効果を最大限に駆使した映像が、どの場面でも構図のスタイリッシュさを堅持していて美しく、俳優さんたちの存在感が際立っており、画面そのもののなかに緊張感がずっと持続しているので、その「絵の強さ」に引っ張られて、状況がよく分かってなくても飽きずに見続けられてしまったという感じでした。私はね。

太平洋戦争中の上海を主な舞台とする中国映画なので、大陸に乗り込んだ日本軍はもちろん作中でひどいことをしており、そこは日本人が観るに当たって覚悟必要かも。

〔つづく〕

Web site image
映画『無名』公式HP
17:22:03 @narano@mstdn.jp
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〔つづき〕

映画が始まってしばらくしてから、ようやく「あ、これ時系列じゃないのか!」と気付きました(鈍い)。パズルみたいに、それぞれの場面を自力で順番を入れ替えてつないでいく必要がある。

主要な登場人物たちがスパイで、モノローグによる内情説明などは一切なく、声に出しての台詞はどれも職務上の嘘かもしれないので、いったんは状況を分かった気になっても、やっぱり分かってなかったりしてしまう。

じわじわと蓄積されてきた疑惑への答えが最後になって確定され、そうすると、そこまでのさまざまな場面の解釈もまた違ったふうになるので、これは1回だけだと「ちゃんと観た」ことにはならなくて、たぶん2回目以降の鑑賞で、着目するポイントや角度が移動して見え方ががらりと変わるやつ……ぐぬぬ。

私は古い香港映画ファンなので、どっちかというとトニー・レオン目当てで観に行ったのですが、まだお若い王一博くんの凄みがすごかった(日本語が変)。

〔つづく〕

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〔つづき〕

これまで私のなかでは、ダンス技術に定評のあるアイドルさん、あとドラマ『陳情令』の(個人的感想としては原作のイメージよりだいぶカワイイ)藍忘機、というくらいの認識のみだった王一博くん。細身の体型に、端正でありつつすっきりとした静謐な、うるささのないお顔立ちなのだけれど、その彼が殺伐と荒んだ表情を見せたり、情念を内に秘めた湿度の高い視線を投げかけてきたりすると、ぞわっとするものがある。大御所トニー・レオンと対峙して、貫禄に押し負けないの素晴らしい。

あと、その王一博くんの歌唱による主題歌がエンドロールで流れたとき、中国語の歌詞字幕しかついていなかったのですが、私の拙い語学力で理解した範囲でもかなりテーマに即した内容で、映画の一部だろって感じたので、あれは字幕で日本語の訳詞もつけるべき――。

と、思ったら、配給会社のYouTubeチャンネルには、訳詞付きの主題歌動画がありました。映像は、途中から映画のシーンではなくTシャツ姿のスタッフ(監督?)なども写り込んだメイキングになってます。

【映画『無名』主題歌MV】
youtube.com/watch?v=XP3U7yAdVk

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