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あらためまして。

読了メモ:ピーター・S・ビーグル/井辻朱美:訳『最後のユニコーン 旅立ちのスーズ』
hayakawa-online.co.jp/shopdeta
*こんな人にオススメ*
・ビーグルは最高のファンタジー作家の一人に違いない
・『最後のユニコーン』が好き
・異界を異界らしく描き出せている作品が好み

森にグリフィンが住み着いた。村人は王に助けを乞い、王は何人もの騎士を送ってくれたが、誰ひとり森から戻ることはなかった。村は王に使者を送るのをやめてしまったが、被害はつづく。親友を失った9歳の少女スーズは王のもとへ向かうことを決意した――名作『最後のユニコーン』の後日譚。

旅行中に読んだ一冊です。
mstdn.jp/@usagiya/111539236469

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最後のユニコーン 旅立ちのスーズ-ハヤカワ・オンライン
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うさぎ屋@妹尾ゆふ子 (@usagiya@mstdn.jp)
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わたしはビーグルの『最後のユニコーン』が好きなので、好きでないひとは少し差っ引いてお読みいただきたいのですが、いや〜! この男性はひょっとしてあの彼なのでは? ……やっぱりそうか! こっちの女性はするともしかして……ほんとにそうなの!? またかれらに会えるの? 会えてる! 嬉しい!
……と、それだけで喜ばしかったし、幸せな読書でした。

今日、あーでもないこーでもないと感想文(※FANBOX の日記用です)を何回も書き直していたのですが、ビーグルは喪失を描くのがうまい作家なのではないかな……というのが、現段階での「いちばん簡単に表現してみたビーグルの魅力」でしょうか。
ファンタジーのコアにはこの「喪失」があるように思っていて――つまり、絶対に到達できないどこか、あらかじめ失われた至福といった、手の届かないもの。わたしにとっては、それがファンタジーの魅力なのですけど、ビーグルの小説にはこれがしっかりあると感じられるのです。
その喪失への諦念と渇望のコントラスト、バランス、強度。そのへんが、とてもしっくり来る。
この作品に限らず、いつもそうなんですけど。今回も、とてもよかったです。