誰が言ったのか失念してしまったが、儒教の「礼」について私にも理解できる説明を読んだか聞いたかして、なるほどなあと思ったことがある。
儒教の徳目である仁義礼智云々の中で、「礼」だけが非常に曖昧じゃないですか?仁=愛、思いやり、義=公平さ、正しさ、智=知識、智恵ということで理解できるけれど、で、礼って何よ?礼儀正しさ?いや、だから礼儀って何よ?ということで何かよく分からない。
私が聞いて感心した説明では、礼というものは、政治の現場で有効な力を持つ様式美を実現するための実務的な技術のことである、ということだった。つまり、こういう形式のかっこいい儀式にすると下の者たちがお互いに争わずに、君主によく従ってくれるようになりますよ、という即効性のあるノウハウ。それを伝授するから召し抱えろと君主に売り込んだコンサルやマナー講師みたいな連中が儒家であった、と。
なるほどなあと思いませんか?私は思った。
(誰が言ってたのかなぁ。知っている人がいたら教えて下さい)
そういう礼の歴史を念頭に置くと、起工式・地鎮祭みたいな儀式も、その仕組みと言うか、政治の世界における機能を理解しやすくなると思う。