田中洋子編「エッセンシャルワーカー 社会に不可欠な仕事なのに、なぜ安く使われるのか」読了。
コロナ禍でメルケルが感謝と支援を表明したことで注目されるようになったが、その働き方や境遇についての基本的な研究はこれまで無かったらしい。例えばスーパーのパートさんが家計の補助だった時代の制度そのままに今日あることの歪みや、1クールものの深夜アニメが大量に作られるようになった背景と結果としての現場アニメーターの分断など、内容が具体的で読みやすいものの直視するには辛い話が続く。その一方、この状況のいくつかは海外で解消済みであること、国内にも変革の動きがあることが紹介されるとともに、根本的な方向性の提案も多く、勇気づけられる本だった。現場が本格的に破綻する前に間に合って欲しい。
ps. 本書の分析対象:
スーパーマーケット、飲食店、自治体とくに支援窓口、保育士、教員、ゴミ収集作業員、看護師、介護士、トラックドライバー、建築業、アニメーター