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張國立『炒飯狙撃手』(訳:玉田誠/ハーパーコリンズ・ジャパン,2024年3月/原書:張國立《炒飯狙撃手》2019年)
主人公のひとりはイタリアで炒飯店を営む料理人、裏の顔は台湾の潜伏工作員で凄腕のスナイパー。ローマで任務を遂行後、何者かに自分が消されそうになり逃避行が始まる。
もうひとりの主人公は、定年退職間近な台北の刑事。ローマでの台湾要人暗殺事件に対応すべく出張中の直属上司と連絡を取り合いながら、軍人2名の不審死を捜査していく。
追われる狙撃手があまりに大変そうで、早く炒飯作れる生活に戻してあげて、と思っていたら、途中ようやく出てきた炒飯シーンも緊迫したシチュエーションで、つら……ってなった。
刑事の章は、捜査でなんかやばいもの掘り起こしていそうな怖さの一方、食いしん坊の上司や生意気な息子とのやりとりはわりとほのぼの。
やがて関係者たちの過去が明らかにされ、ふたつの事件がつながり、ふたりの主人公に接点が生じてくると、どんどん読むスピードが上がってしまった。
イタリア在住スナイパーが作るサラミ入り炒飯、美味しいのでは? 今度、私もサラミ刻んで入れてみるかな!