#読書
馬伯庸『両京十五日 Ⅱ 天命』(訳:齊藤正高、泊功/早川書房,2024年3月/原書:马伯庸《两京十五日》2020年)
完結の巻。引き続き急転に次ぐ急転で、初期メンバー4名チームは敵方との攻防のなか分断されたり合流したり、敢えて別ルートを行くことになったり。敵だと思っていた相手が味方になったり、味方と信じた相手は敵だったり。もうぜんぜん先が読めないまま、とにかくページをめくるしか。
よくぞまあ、これだけ思いつくものだなあ、と感心するような、さまざまな絶体絶命展開と、そこからの機転と偶然(あるいは運命?)によるさまざまな間一髪の命拾い展開に、翻弄されまくりました。
さらには、北京をめざす皇太子に助太刀するなかのひとりである(そして作中で視点を担う登場人物のなかでは最も主人公っぽい書かれ方をしている)南京の捕吏・呉定縁の、本人も知らなかった素性の秘密や、同じく助力者となったものすごく聡明で肝の据わった女医・蘇荊渓の過去なども絡んできて、物語はどんどん一筋縄ではゆかぬ感じに。
〔つづく〕