展示作品のご紹介:ロック・クリスタル双耳瓶
(16世紀|ヴェネチア)
水晶の塊から器、把手、台の部分をそれぞれ彫り出した後、花綱文、ロータス文などの文様をカットやグラヴィールで施し、金細工で接合した双耳瓶。水晶は永遠性や富と権威の象徴として、しばしば王者の装飾品の素材として使われた。とりわけ15~16世紀のヨーロッパでは、水晶製容器は王侯貴族しか手にする事のできなかった高級品であった。この無色透明な水晶をガラスで再現するため、ガラス職人たちは精製や材料を工夫し、以後ヴェネチアをはじめ各国で様々なクリスタルガラスが生み出されていった。
-ヴェネチア、プラハ、パリ- 三都ガラス物語
https://www.hakone-garasunomori.jp/event/exhibition_2023.html