犯罪都市シリーズは罪もない市民が死ぬし韓国映画らしい陰惨な暴力描写もあるのだが、小手先での誤魔化しゼロ！全編ストレート真っ向勝負！という感じが鑑賞していて清々しくとにかく爽快感があって好きだ。
あとは「みんな悪い奴らをワンパンで伸していくマ・ドンソクが見たいよね！どうぞ！」とこちらの見たいものが期待通りに見れる安心感もある。カレーライス食べに行ってカツと唐揚げと温玉がトッピングされてる位の勢いが多々あるが。
基本的な構成は前作と同じで、何も小難しいことはなく履修や復習等は不要で、マ・ドンソク演じる規格外の怪物刑事マ・ソクトの力に耐えうる、拳による制裁を受けるのも致し方ない巨悪を倒す筋書きとなっている。4作目ともなるとソクトのオーバーキルっぷりを凌駕する巨悪を設定するのにも一苦労では？と思ったが、そこに今回の敵であるペク・チャンギによって監禁・暴行を受け息子を殺され悲しみから自ら命を絶った母親からの遺書というベタながら王道なシークエンスが巧く効いてくる。

しかし違法オンライン賭博の競合他社を潰しにやって来る敵を待ち伏せしたおとり捜査などという大掛かりで回りくどい作戦がまさか犯罪都市シリーズで見られるとは思っていなかった。
この潰しにく強襲行為を「シャットダウン」という隠語で呼んでいるのは若干の脳筋感が否めないが……(最初何を意味してるのか掴めなかった)
アクションについては、1ラウンド目ではナンバー2,3との交戦となりチャンギは人質を取って逃げ、ソクトVSチャンギのラスボス戦は実質一回のみで食い足りなさもあったが、2作目グルカナイフ、3作目日本刀と派手な獲物の歴代ヴィランの中シンプルなナイフを使用し、最低限の手数で相手の命を奪う洗練されたスキルかつ迫力のあるアクションを披露するチャンギおよびキム・ムヨルには脱帽した。中でもドンチョルにカジノの利権を渡すと唆されたクォン社長によって刺客差し向けられたホテルでの暗所戦はシリーズ真骨頂と言っても過言ではない。
マ兄貴によると犯罪都市シリーズはパート8まで構想があるとのことなので折り返しにきたことになる。正義の暴走機関車マ・ソクトの今後も楽しみだ。