「龍が如く」というゲームシリーズを作っているグループが開発したタイトルだ。
舞台は現実の歌舞伎町を限りなく再現した架空の街である「神室町(かむろちょう)」で、「龍」シリーズと同じ舞台を使用して登場人物は全く異なる作品。
主人公の八神隆之(やがみ・たかゆき)を演じるのは木村拓哉さんだ。
元弁護士だが、かつて自分の弁護で無罪にした被告人が、判決から約1ヶ月後に再び殺人を起こしてしまった事で法廷を去り、今は元極道の相棒と2人で私立探偵をしている。
物語は、とある極道組織の構成員の遺体が発見されたところから動き出す。
八神がかつて所属していた弁護士事務所で弁護を担当する事になり、八神は探偵としてその証拠集めを依頼される。
事件を追う中で、その事件と同一犯と思われる犯行が発生し、被害者の中の1人が殺害される直前に電話をかけていた事が判明する。
その電話の先は、かつて八神が殺人犯を無罪にしてしまった事件の現場になった病院だった。
八神がかつて勝ち取った無罪は誤りだったのか。
現在の殺人事件の真相を追う中で、八神自身が囚われている過去の事件の真相も明かしていく──。
というストーリー。
ネタバレ無しだとこんな感じ。
リーガル・サスペンスと呼ばれるジャンルで、本作は特に冤罪との戦いに焦点を当てられていたように思う。
(2作目の「LOST JUDGDMENT」では法律の矛盾に焦点が当てられる)
ゲームとしてはアクションゲームの要素が強く、推理ゲームとしての要素は低いと思う。
しかし丁寧に張られた伏線が回収されたり、バラバラに散らばっていたかに見えたいくつもの事件が徐々に繋がっていく過程は胸が躍った。
偶然にも今日、認知症新薬のレカネマブの薬価に関するニュースがあったが、本作のシナリオにも認知症の新薬が深く関わっている。
認知症の一種であるアルツハイマー病の原因とされる「アミロイドベータ」という物質を除去するという、現実のレカネマブによく似た設定の薬が登場する。
以下は作中に登場するセリフの1つだ。
「認知症は怖れるのではなく備えるべき病気です
その時一番の敵は……社会の無理解と無関心でしょうね」
65歳以上の5人に1人が認知症であると言われる今、自分自身や家族も含めると、認知症と全く無縁の人生を送る事ができる人はごく少数だろう。
作中のセリフのように、自然災害と同じく備えるべき病気なのだろうなと思う。
そんな認知症にもスポットが当てられた「JUDGE EYES」が発売されたのは2018年12月13日。
当時の自分は大学院生で、認知症の診断に関する研究をしていたので、本作は偶然にもとっつきやすい題材だった。(そうでなくても龍シリーズのファンなのでプレイしていたのだけど)
アクション自体は少し難易度が高めかもしれないが、難易度は物語の途中でいつでも下げたり上げたり変更ができる。
ゲームの性質上どうしても暴力描写は入ってしまうが、苦手でなければおすすめしたい作品だ。
今はお得な新価格版が発売されているぞ! #ゲーム #JUDGE_EYES