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『パディントン 消えた黄金郷の秘密』(原題 "Paddington in Peru"/英,2024年)
paddington-movie.jp/

シリーズ第3作。ベン・ウィショーが声で主演する字幕版で観ました。正式に英国の民となりイギリスのパスポートを取得するパディントン。そのパスポートを持って、ブラウン一家のみんなと一緒にペルーへ帰省することになるパディントン。

移民の先輩であるグルーバーさんは、いまのパディントンには「混ぜこぜ」の気持ちが生じているはずだと言うのだけれど、物語序盤の、旅立つ前のパディントンには、それがピンと来ていなくて……。このへんの最終的な回収が、じわっとよかった。故郷と居場所が、別々にあるということ。

――みたいな感傷はさておき。映画は完全に原作と乖離した物語なので、まったく展開が読めないまま、ただただぽかーんと観ていましたが、「そんな馬鹿な」の連続もこのシリーズなら許せるよね。生真面目なクマが生真面目であるがゆえに引き起こすてんやわんや! 壮大で鮮やかな自然を背景に繰り広げられる冒険! スペクタクル! アクション! そして秘境!

〔つづく〕

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映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』公式サイト|大ヒット上映中
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〔つづき〕

ちょっと寂しかったのは、前2作で私、ロンドン市内のブラウン家のインテリアや、ブラウン夫人のファッションが、めちゃくちゃ可愛くて大好きだったんですよ。でも今回は舞台がほぼ旅先だし、夫人のお召し物も前ほどビビッドではなく。密林を旅するためのアウトドアウェアだしね、そもそも今作から演じる人も交代しているしね……旧作のあれはサリー・ホーキンスにしか着こなせないやつだったのかもしれない。でもファッションセンスがコンサバ寄りになった新しい夫人(エミリー・モーティマー)も、子供たちの成長と近い将来の巣立ちを複雑な心境で見守る、やさしく可愛らしいお母さんでした。

あと、ブラウン家のインテリアを楽しめるシーンが少なかった代わりに、ペルーの老クマホームの細かいところまでの作り込みなどには気合が入っていて、すごく楽しかったです。悪役含め、キャスト全員が常にノリノリだし。

そうそう、エンドロールの途中と最後の演出に本気でびっくりして大ウケした。パンフとかWikipediaとか読むと察しがついてしまうので、シリーズのファンは、なるべくならそういうの目にせずに鑑賞してほしいです。

〔了〕

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今回のパディントン映画、配給に木下グループが関わっているのですね。それでTOHOとかほかの大手上映館を差し置いて、物販でkino cinema限定のグッズを売ってるのか。

写真2枚目は、特にパディントン仕様ではないのだが映画合わせで販売されていた、kino cinemaオリジナル商品のクマの顔と肉球の「べっこう飴」です。なんでべっこう飴!? って思って、つい買っちゃった。それと、パディントンのシールがもらえました。どこに貼るんだ。

映画館の外に置かれた、『パディントン 消えた黄金郷の秘密』の立て看板の写真。青いダッフルコートに赤い帽子の、いつものいでたちのパディントンが、右手にトランクを持ち、左手を口元に当てて立っている。タイトルロゴの下に「5.9 Fri」と公開日が入っており、左側に「ぬりえだよ!!! どうぞもらっていってね!!」と書かれたカードと塗り絵の実物が貼られている。
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白い皿の上に載せられた、テディベアの顔のかたちのべっこう飴と、肉球のかたちのべっこう飴の写真。kino cinemaのロゴが入った飴のパッケージの一部も写っている。皿の横から、パディントンがさまざまなポーズを取っているシールのシートが見えている。
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