@mayumihayashi ああ、そうでした。コーヒーの描写も素敵でした。バリスタのいる本屋さんよい……。
#読書
間宮改衣『ここはすべての夜明けまえ』(早川書房,2024年3月)
父親の意向で20代のうちに身体をほぼ機械化し老いなくなる手術を受けた「わたし」が、それから100年以上が経ち家族がみんないなくなった2123年に綴る回想。
手書きなのでめんどくさい漢字は書かずに済ませているという設定で、ひらがなを多用した文章が続くので、ページ全体の印象がとても白っぽい。その視覚的効果で語り口はどこか舌足らずで無垢で「いたいけ」にも感じられてしまうのだけれども、淡々と語られる内容は、なかなかにきつい。そしてその「いたいけ」さゆえに、語り手がその客観的なきつさをどこまではっきりと認識しているのかは、読者には曖昧なまま回想は進んでいく。
「わたし」がずっと山の上の一軒家に引きこもって暮らしていたため、100年のあいだの社会変化や技術進歩などは小出しにしか描写されず、ようやく手記が執筆されている時代の状況が分かったときのインパクトが強かった。
いびつさと純粋さが両立しているかのような関係性が語られた末の「わたし」の選択は、どこか寂しくもすがすがしく、前向きでもうしろ向きでもない孤高さを感じる。
知らない子でしたが、花の名前を教えてくれるアプリによると「シモツケ」らしいです。検索すると、漢字では「下野」。
Wikipedia情報では、下野国(しもつけのくに:現在の栃木県)で最初に発見されたのが名前の由来だって。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A2%E3%83%84%E3%82%B1
そんな命名の仕方ある!? もうちょっとこう、植物自体の特徴とかさあ!