お声がけいただいたのが9月下旬だったので、直後のヨーロッパ旅行でバタバタしつつもなんとか書き上げられました。書くの楽しかった〜〜!
締切を数日伸ばしてもらった上に入稿ミスったりしてその節は大変お手数をお掛けしました……
クロスオーバーとして念頭に置いていたのは『これは物語ではない』(における、活動停止後のDrive to Plutoと、彼らに出会う未来のリスナー達)ですが、『Dribe to Pluto』本編も各所で参照しています。
以下つらつらと裏話や余談など。
🌙年代
『これは物語ではない』は2010年代が舞台ですが、本作は2024年頃を想定しています。自作『新月をグラスに注いで』本編からも10年後くらいです。
山川さんの創作バンド「SIGNALREDS」は2024年においてもきっと活動しているでしょう!ということで、作中でお名前をお借りしています。
💇♀️登場人物
『新月をグラスに注いで』より、10年後の里沙さんと彼女の同僚達、そして後輩さんに登場してもらいました。
未登場となった月代も、たぶん里沙さんとは引き続き交友があるのではないでしょうか。透明人間ではなくなってる気もしますが、その辺は余白の外側ということで……笑。
なお後輩さんはこれからDtPの音源を探してネットの海を彷徨う日々が始まります。がんばれ!いつか八月一日くんと邂逅することもあるのかもしれない…
👻透明人間と幽霊たち
『これもの』と自作でいちばん共通点あるのが多分『新月をグラスに注いで』なんですよね。なんといっても透明人間が主要人物として出てくる!
執筆中は透明人間と幽霊の類似についてつらつら考えたりしていました。見えなくなった者たち、いなくなってしまった者たち、それでもまだ存在すると言いたい彼らについて。消えたのかそれとも消されてしまったのか、山川さんの作品は不可視の存在が繰り返し出てくるのが面白いなぁと思っています。
(本作執筆にあたり、『これもの』を頭から再読したのですが、『Cipher』『Solarfault』『Drive to Pluto』『ファング』を通過した後で読むザムザさんの独白(act.3「ブラックバード」)と、act.5「眠りにつくまで」めちゃくちゃ良かったです)
🚃電車と都市伝説
「Beleive it or not(信じようと、信じまいと)」は都市伝説でよく聞く枕詞です。
私は都市を書くのがやや不得意なんですが、電車なら書けるぜ!!!(なんせ学生時代は毎日4時間も乗ってたんだからな!)
きさらぎ駅よろしく、電車ってわりと都市伝説やオカルトと親和性がありますよね。夜の車窓って鏡のようでかっこいいし異界を横切るくらい訳ないですよ(??)
初期構想では、後輩さんが乗車するのは中央線 or 京葉線でした。新月本編の設定に矛盾が出そうな気がしたので、最終的には「東京駅から発着する何かしらの路線」ぐらいのフワッと描写に留めています。
🌃「東京、東京。終点です」
作中の魔法めいたアナウンスは、大好きな『わが星』オープニングの援用であると同時に、山川さんの「東京、東京」も意識したものです。
アナウンスと共に迷い込んだあの不思議な空間は、何かしらの終点、やがて何かが辿り着き、そしてふたたび飛び立ってゆく、どこかのターミナルなのかもしれません。たぶん。
🕛0:00
彼女が不思議な世界に迷い込んだのは日付変更の瞬間です。
似ているふたつのものに恣意的な繋がりを見出すのは、魔法や幻想の十八番ですね。
0:00と、00:00:00。
落下したiPhoneを拾い上げた誰かの手は、きっとこの瞬間、誰の手でもあり得ました。もういない誰かの手でも。
💻Web公開
個人サイトに載せるならWebでしかできないこともやりたいなと思いました。てへ。素朴なスクロール連動アニメーションです。
JavaScriptもうちょっと工夫できた気がするけど許してくれよな!
以上後書きでした
『これもの』『DtP』世界の物語の続きをこれからも楽しみにしています〜〜!!
RE: https://misskey.design/notes/a1ht0pjvp0v267tm
山川夜高(小説,絵,装丁) (@mtn_river)
風野 湊🌿12/1文フリ東京:こ-13 (@feelingskyblue)