半歌仙「霜晴れや」 令和五年十二月十四日　 表 発句　霜晴れや目元のラメもきらきらと　こよこ　三冬・場・人倫/天象 脇　葉色の深き山茶花の門　ひづみ　初冬・場・植物(木)/居所 第三　返信を青いインクで書き終えて　こ　雑・自 四　遠くバイクが吼えている夜半(よわ)　ひ　雑・場・夜分 五　三日月の端から端へかけくらべ　こ　仲秋・自他・夜分/天象(月) 六　旅立ちの友おくる秋山　ひ　三秋・場・山類/旅 裏 七　気に入りの新酒抱いて戸を叩き　こ　晩秋・他・食物/居所 八　夢をかたらぬ老いの酔いばな　ひ　雑・他・述懐 九　夏の雨買い出しやめて情交す　ひ　三夏・自他・降物/恋 十　相傘飛び入る馴染みの風呂屋　こ　雑・自他・恋 十一　小笹舟川底とろり影おちて　ひ　雑・場・水辺/植物(草) 十二　仕事始めの松葉鞄に　こ　新年・場・植物(草) 十三　かまくらさけぇと童(わらし)の月誘ふ　ひ　新年・他・天象(月)/降物(雪) 十四　注射気付かぬ秋田犬の尾　こ　雑・場・生類(獣) 十五　石もろき馬頭仏へと飴供え　ひ　雑・自・神祇/食物 十六　春日さしたる空の菓子盆　こ　三春・地・天象 十七　花宴会ったばかりで踊る仲　こ　晩春・自他・花 十八　夕東風(ごち)吹きてかろき音曲　ひ　三春・場・時分/吹物