展示作品のご紹介:コメディア・デラルテ
(20世紀│ヴェネチア)
ヴェネチア伝統の仮面喜劇「コメディア・デラルテ」は、16世紀に成立した仮面を用いた即興劇で、カーニバルの時期になると、道端や広場で上演されてきました。劇中で使用する仮面は、それぞれ特徴があり、役者がどの役柄を演じているのか明確に決まっています。仮面をつけた役者は、様々な階級や職業の人々が巻き起こす喜劇をアクロバティックな演技とともに繰り広げました。18世紀に入り、劇作家カルロ・ゴルドーニが登場すると、その人気はさらに高まり、「コメディア・デラルテ」の登場人物の出で立ちは、ヴェネチア・カーニバルの仮装にも取り入れられました。ひょうきんな顔をしたアルレッキーノは、金太郎飴のように模様の入ったガラス棒を切断し、そのパーツを貼り合わせることで、アルレッキーノの特徴である、つぎはぎだらけの衣装を表現しています。また、コロンビーナをはじめとする4人の人形たちはどれも表情豊かで、吹きガラスと熔着装飾技法が用いられ、躍動感があふれる様子が見事に表現されています。