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こんなに変わった理科教科書
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ひはん的精神に欠け、権威にもう従しやすい国民にあっては、物事を道理に合せて考える力、すなわち合理的精神がとぼしく、したがって科学的なはたらきが弱い。(中略)民一般としては科学の程度がまだ低い。例えばこれまでの国史の教科書には、神が国土や山川草木を生んだとか、おろちの尾から剣が出たとか、神風が吹いて敵軍を滅ぼしたとかの神話や伝説が、あたかも歴史的事実であるかのように記されていたのに、生徒はそれを疑うことなく、その真相やその意味をきわめようともしなかった。このようにして教育させられた国民は、竹やりをもって近代兵器に立ち向かおうとしたり、門の柱にばくだんよけの護り札をはったり、神風による最後の勝利を信じたりしたのである

—『こんなに変わった理科教科書 (ちくま新書)』左巻健男著
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笑っちゃいけないところなのかも知れないが、ふふっとなってしまった。自分には理科的なものの捉え方や考え方がさっぱり身についていないと思っていたが、合理的な精神をもち、科学的なはたらきを駆使できているのは、理科教育の賜物なのかも知れない。そうなのか。