「つづみちゃーん、今日は大舞台だったけど楽しかっ……あのーつづみちゃん？どうしたのダンゴムシみたいになっちゃって」
「無理……恥ずかしすぎるわ……あんな人前で……うう……」
「まあまあ、あくまであれはああいう曲ってだけだから。そういう役を演じてるだけ、って最初にも言ったじゃんよー」
「もうっ……なにが『独特な世界観』よぉ……今ごろSNSにはあることないこと書かれてるんだわ……うわあああ」
タカハシが最寄りのコンビニにひとっ走りして確保してきたピザまんと肉まんによって一命を取り留めたすずきつづみ。
その後、なんとかこの一件を克服しようと、普段あまり読まない恋愛小説を手に取る機会が増えた……のはいいが、読者として読めばなんてことないシーンも、演者の目線で読んでしまうと顔から火が出てしまう。どうやら克服はしばらく先になりそうだ。