元にした小説はもう3年半前に書いたものなので当時の自分が何を考えて書いてたのかさっぱり覚えてない。なので今の自分が漫画にしたときに考えてたこと、思い出せたこととして。
おっさんが自分を霊みたいなものだとリタっちに言う話が書きたかった。リタっちはコワイものが嫌いで、幽霊とか非科学的なものが嫌いで、おっさんはそれを本編中も度々からかって遊ぶ。
「成仏させてくれる?」はおっさんの最大級の甘えだな……と思いながら書いてた。試し行為?リタっちが頷くわけもないと思って聞いてる。
でもハッキリ否定されるとも思ってなかった気がする。からかいのもっと面倒なバージョンというか、リタっちを困らせたかっただけみたいな。無意識部分込みで。
リタっちから見たおっさんは、謎の塊で自分の手では解き明かせない曖昧さに満ちている存在で。そのもどかしさをずっと抱えながら一緒にいるところが好きなんだけど。
でも、リタっちはわからないものに結局は近づこうとしてしまうから、わからないことがあるということに納得できないから、おっさんのそばにいる。おっさんが曖昧な亡霊に似た存在でも、生きている謎であるかぎりリタっちは近づこうとする。
見えない暗闇よりも、見たい闇に触れて安心するリタっちが描きたかった、ような気がする。