icon

あまりに欲望が先行した巨匠の作品を見たせいで昨日からやたら三島由紀夫のこと考えてる

君たちはどう生きるか見てきたけど、
icon

ノリがほぼ「ちいかわの敵」だったんだけど!?全然出てきそう ただし主人公はちいかわ達じゃなくて美少年だが…
特に後ろ手に刃物隠してるシーンが完全にナガノのコマ割で再生されてめちゃめちゃ笑ってしまった アレ笑うとこですよね

その他の感想たれながし。

・とにかくイマジネーションの万華鏡みたいな映画だったけど、これ世が世ならインコのAA死ぬほど出回ったとも思うし眞人はユリアン並にネタキャラになってただろうな 既にどこかでなってるのかもしれんけど……。

・「いや、っていうか亡き母にそっくりの美しい義母だと……!?」「今までの宮崎駿の中で一番生々しいな、設定が……」

・しかも眞人が美少年なのがまた生々しさを助長してる。あの寝顔見ましたか!?

・アオサギなんだったんですかね?なんで最初あんなに眞人に突っかかってたんですかね?って話を友達としたんだけど、やっぱ普通にあんなしゃらくさいガキ嫌いだったんじゃない…?って思った 嘘つきって言ってたし

・宮崎駿作品て絶対「生理的な気持ち悪さ」にすげー執着がありますけど今回もすごかったね 気持ち悪いシーンベスト3
3 噴出して主人公を包み込む巨大な魚の内臓
2 主人公を包み込むガマガエルの群れ
1 ラスト近くの隧道の中のやたらリアルな虫

・わらわらがめちゃめちゃ可愛かった〜〜〜好きだ〜〜〜〜〜こんな普通に可愛いもの描けるんだ……!?82歳にして……。

・他の人の感想で、まさか宮崎駿の「君たちはどう生きるか」が「私は…バブみを感じてオギャりたい!」だとは思わなかったよ!みたいなの見たけど、ほとんどそれは同意で、もう他に解釈の仕様がないんだよな。
なんか見るまでは「言うて作品ってそこまで作者の内面ががっつり出るもんでもないやろ、もっと二十三重にオブラートがさ……」とかぬるいこと思ってたんだけど、実際見るとそうも言ってられなかったっていうか……。

「美しい亡き母に瓜二つの義母を助けるために異世界に迷い込み、そこで美少女時代の実の母に出会い彼女に全肯定してもらう!」
「マザコンのデコレーションケーキかよ」

私は三島由紀夫とか、谷崎潤一郎とか、「自分の最も根源的な欲望を芸術に昇華するタイプの人間」に傾倒する傾向があるんで、今回のやつは本当に「アー!素直になってる!!」って感じでよかった。これは多分宮崎駿の「少将滋幹の母」。
でも子供連れてってもわかんないと思います。小学生に「潮騒」読ませてもわかんないから。

——

・あの東京の家の階段の感じ、本当に戦前の日本家屋の感じだった。
私には祖母の家がそうで、まだどうにか建ってるその家の間取りまでがまざまざと思い起こされた。昔の都会の家の階段て、ああやってまっすぐ伸びてて狭くて段差が高いので、どんな人でも急ぐと少しぎこちない足音になるんだよな。こういう体験まで含めての映画作品っていうのは、やはりなかなかあるものではないです。

・ナツコが夫を出迎えて、眞人に挨拶して、俥に、乗る。
夫は妊娠中の新妻に重い荷物を持たせるのは平気で、それはこの人が暴君だからではなくて、妻が夫に仕えるのは当然だからだ。
ナツコが人夫に荷物を持たせる時に気遣いの言葉ひとつないのも、それはもちろん人夫が持つのが当然だからだ。見事に家長>妻>人夫と身分を描ききっていて、こういう潔い描写がもう他では本当に見られないですよね。前時代であっても優しい婦人は下男にもねぎらいの声をかけるものだ、みたいな生ぬるい世界観が私は本当に嫌いで、そういうんじゃねえんだよ!そういう価値観を許さないから封建制っていうのは非人間的なんだよ!みたいな気分になるのでこういうのを見ていると逆に心が洗われてしまうんだよな〜。

・父は本当に妻のことも息子のことも愛しているという描かれ方をしてるんだけど、でもその愛情が「押しつけがましい戦争成金そのもの」という表出の仕方になっており、なんか見ててつらかったな。

icon

ダットサンって聞くたびに鳥口守彦が出てくる呪い