本題からはちょっとズレるんだけど 「かつて趣味だったものが次第に楽しめなくなっていくのはなぜか」 という事を考えるのにも良い本だと思った。
本題からはちょっとズレるんだけど 「かつて趣味だったものが次第に楽しめなくなっていくのはなぜか」 という事を考えるのにも良い本だと思った。
なお現状分析部分に限って言うと、本書の中でも紹介されている藤崎剛人 @hokusyu82 の下記の記事が短くまとまっていて結論は実質同じに見えるので、そちらを読んで済ませるのも一手。(事実の積み上げ部分は大事だとは思うが読むのが辛くもあるので…)
何という読者に対するブーメランな表題……と思ったら違った。
古典の修養も、映画や音楽のようなエンタメでさえも「教養」と称してその実「小金稼ぎの道具」としてしか見ない昨今の風潮は、公共的な視点の欠落した新自由主義と自己責任論から来ている、という話を具体的な事例を積み重ねて説明していく本。
著者の言う「ファスト教養の解毒法」は、この流れに対してはいかにも弱々しいようにも見えるが、それでも「トレンドを追わず、自分の嗜好を深く顧みて、繰り返し楽しめる作品を探す」という提案は良さそうに見えた。
https://bookmeter.com/reviews/126041843