アウロラは知っている。
いついかなる時においても、哲学者が先の未来を切り開くと。
虚無主義者こそ最たる例で、本質に当たらずとも遠からずということになる。
神秘がこそ、人の観測と信頼と信仰によって支えられていたという事実は、
哲学者によって理解され、謀らずとも解体される運命であったのだ。
蒸気機関によって魔法は機械に代替され、とどめを刺したのは死の宣告。
神秘は信じる力であったのだ。
それと入れ替わるように、誰の目にも明らかで、
誰の目にも疑いなく齎される、共通原理から計算されたものが定義されたのだ。
「科学」である。
そうして科学は世界をそうあれかしと作り替えた。
科学こそが現代の神であるとも言えるであろう。