@_oOoO 【刻印の化粧筆】
描き手が望むまでは決して落ちず、しかしそうと望めばすぐさま消え去る筆。塗料は筆で塗ることができるものであれば制限が無い。元々は絵筆だったのだが、現在の持ち主の手で改造され3本の化粧筆とされ、もっぱら化粧用に用いられている。白粉、頬紅、目弾もこの筆で塗れば人の一生よりも長く持つ。余裕のあるものには流行にあわせて季節ごとに塗り直す者もある。
美容液を塗料代わりに塗る事で肌の状態を改善させたり魔術師の入れ墨がわりに用いられたり、シンプルながら多彩な使い方が可能。
もうひとつの顔として死化粧にも向く。特殊な薬剤を死体に塗ることで朽ちぬ死体を作り上げることが可能なため。通常は葬儀まで時間がかかるような場合に使用され、土に返す前には落とされる。しかし稀に落としの依頼が無いこともある。土に返れぬままに埋まっている死体があるのか、それとも。

@verymentuyu
【生きた歌声】
聖歌隊に古くから居着くと伝わる歌声。幼い少年の喉に住み着き、美しい歌声を与えるが年を経て少年が純真さを喪うと去っていくという。
聖歌隊では歌声が去らぬようありとあらゆる手が尽くされる。薬品、魔術、去勢、まじない、教皇の寵愛。それらを得ようと、他の少年よりも少しでも多く獲得しようと、彼らは必死になる。
例え最善を尽くしても必ずしも歌声が留まってくれるとは限らない。声は気紛れなのだ。歌声を留めようとするあまり身体を壊す少年が跡を絶たず、中には命落す者さえある。
全てを論理で固めたがる偏屈共の呼ぶ別名は「声変わり」。