そもそも学校で水泳を教えるようになった大きなきっかけは、1955年(昭和30)5月に起きた紫雲丸沈没事故だとされています。泳ぎ方を知らない子どもが多数犠牲になったこの事故を教訓に、水難事故を防ぎ、安全に水と親しむための水泳の授業が広まっていきました。
一方でほぼ同じ時期、東京オリンピックに向けて競技水泳への関心が高まり、1961年(昭和36)にスポーツ振興法が制定されると、国の補助金を使って一気に全国の小中学校に屋外プールが普及していきます。これに伴い、水泳授業は水難事故から身を守るという目的から、距離や速さを競う泳力、泳法重視の指導へと傾いていきました。
いつまでもあると思うな、学校プール │77号 みんな、泳いでる?:機関誌『水の文化』│ミツカン 水の文化センター https://www.mizu.gr.jp/kikanshi/no77/06.html