悲しいなぁ
ルーマニア語で「吸血鬼」を指すと言われる「ノスフェラトゥ」という単語は、実は日本の「のっぺらぼう」を由来としています。
開国後、明治時代に日本の文化が世界に広まる中で、ルーマニアにも日本の妖怪文化が伝わりました。しかし、「のっぺらぼう」という言葉の耳慣れなさ、そして顔のない人間という掴みどころがなく、日本固有の土着的な恐怖という側面を色濃く持つその民俗伝承はルーマニアでは理解されず、単に異文化として処理されるに留まりました。
それに目をつけたのがブラム・ストーカーです。彼は吸血鬼伝説の現代的な翻案を作るにあたり、「のっぺらぼう」をトランシルヴァニア・ザクセン方言風に言い換えた「ノスフェラトゥ」を吸血鬼の呼称として扱いました。
それによりあくまでルーマニアの歴史のピースの一部という根幹を持ちつつも、しかし異言語からニュアンスを借りることで人あらざるものの超常性を表現することに成功しました。
のっぺらぼうとノスフェラトゥには語感以外の共通性が無いように思われるかもしれませんが、遠く離れた国にあるこの二つの怪異はその実密接な関係にあるのです。
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