1st. SuiseiNoboAz
トリッキーな単音リフが跳ね回ってる系のアルバム。後期ナンバガ～ザゼンのポストパンク的な側面のフォロワーという印象（向井秀徳プロデュース）。ほぼスリーピース以外の音が入ってない。ザゼンの4thを思い起こさせる無駄な音数やエフェクトを削ぎ落とした音。そこがいい。以降のボアズの音は割とディレイとかリバーブとかマシマシになってくのでこのアルバムでのデッドな音は遡って聴くと驚くと思う。「水星より愛をこめて」の代表曲感と歌モノで（比較的）ポップな「my disco」のほのぼの感が良いと思う。
「水星より愛をこめて」https://www.youtube.com/watch?v=UUIjIgNUFpQ

2nd. THE (OVERUSED) END OF THE WORLD and I MISS YOU MUH-FUH
やたらタイトルが長い。これは収録曲「E.O.W.」と「64」の歌詞のフレーズを掛け合わせたもので、それが示す通り前作よりアルバム通して統一感強めの一作。7分くらいある誰がどう見ても核な「64」を軸に新宿と妄想世界をいったりきたりする。音的には劇的に音が良くなってる。前作よりゴツい音が増えて真っ当なロックンロールに近づいてきた感じ。歪んでるけど透明感ある感じのギターの音とか何言ってんのかよくわかんないけどなんかエモい歌詞とかボアズの基本形がここで完成している。一番思い入れのあるアルバム。
「64」https://open.spotify.com/track/4rwONCzJoFmWY7HYnkw5Sn?si=e69c6f29d2524b0c

3rd. ubik
メジャーデビュー。若干スリーピース以外の音が増えた。メロディも比較的ポップでキャッチーになってると思う。あと前作の「64」を下敷きにしたようなミディアムテンポのおとなしい曲が多い。単純な楽曲の完成度では一番だと思う。「No road, No surf.」「T.D.B.B. PIRATES LANGUAGE」の疾走感ある2曲とメロディアスで透明感あるラスト3曲の流れが好き。他のアルバムだいたい40分～50分台なのが70分あって一番長い。ここでベースとドラム脱退。
「T.D.B.B. PIRATES LANGUAGE」https://www.youtube.com/watch?v=BQ2j7MPEKtQ

4th. Liquid Rainbow
インディーズに戻ってギターとベースとドラムが入って3年ぶりのアルバム。頭に置かれた異色作「Liquid Rainbow」が白眉。タイトでゴリゴリなリズム隊の上でギターとピアノが跳ね回って噛み締めるようなラップみたいなポエトリーリーディングみたいな歌が乗っかる曲。他は前作に引き続いておとなしめの曲多い。テンポ速い曲もなんとなくおとなしい。そんな印象。
「Liquid Rainbow」https://www.youtube.com/watch?v=cqSFQxkyQKU

5th. 3020
2曲目に置かれた「3020」が白眉。「Liquid Rainbow」を下敷きにしつつ進化させたような情緒的で希望のある歌詞と美しいコード進行にエモーショナルなギターとベースが絡み合う曲。特にアウトロに掛けてのベースのフレーズの盛り上がりが異様にエモい。アルバム全体も「3020」とラスト「それから」を軸に以前より更に物語的な構成を意識したコンセプトアルバムな感じ。電子音率が今までで一番高い。細かいリズムの上でボコーダーとピアノとなんだかよくわからん歪んだ音が入り交じる「月面源流釣行記」あたりはインディーロック好きならかなり気に入ると思う。8曲40分で長さはそこまででもないけど重い曲が多いので印象的に長く感じる。あと前作までは申し訳程度に入ってた疾走ロックな曲がついに完全消失。
「3020」https://www.youtube.com/watch?v=e3XL3r7uNB8