ホット計はほっとけい
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明らかにツッコミ待ちみたいなトゥートが流れてきたが僕はそれをスルーすることにするよ(ここが5chだったら「出た俯瞰してますよアピールんなこと言ってる時点でスルーできてないし顔真っ赤なのバレバレで笑える」みたいな煽りレスが付くやつ)
@魔法少女トロピカル🔑ツブヤキ
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★誕生日おめでとう★
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∧_∧ おめで㌧!
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https://discord.gg/6QbzamaU ヌーディストビーチがあるサーバー、いい音楽においで
ベッドのなかで自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒虫に変わってしまっているのに気がついた。固い甲殻の背中を下にして、仰向けになっていて、ちょっとばかり頭をもたげると、まるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い節で分け目をいれられた腹部が見えた。その腹の盛りあがったところに掛け蒲団がかろうじて引っかかっているのだが、いまにも滑り落ちてしまいそうだ。昨日までの足の太さにくらべると、いまは悲しくなるほど痩せこけて、本数ばかり多くなった足が頼りなく目の前でひらひらしている。
いったい、自分の身の上に何事が起こったのか、と彼は考えてみた。夢ではなかった。人が住むにはすこし手狭なかんじだが、きちんと整頓されている部屋は、なじみぶかい壁に四方を囲まれて静まりかえっている。別々に束ねられた毛織物類の商品見本がひろげてあるテーブルの上のほうには――ザムザはセールスマンだったのだ――最近、彼がある絵入り雑誌から切りとって、きれいな金色の額ぶちへはめこんだ絵がかかっている。それは婦人を描いた絵で、その女は毛皮の帽子をかぶり、毛皮の襟巻きをまいて正坐し、肘のへんまで包んでいる重たそうな毛皮のマフを、ちょうど絵を眺める人の目の前へ持ちあげていた。
グレゴールは目を窓へやった。窓のトタン板をうちつける雨だれの音がきこえている。もの悲しい天候が彼の気分をすっかりめいらせた。もういっとき眠りこんで、ばかげたことをみんな忘れてしまえたら、どんなにいいだろうなあ、と彼は考えた。だが、そんなことは望めそうにもなかった。彼は右側を下にして寝る習慣だったが、いまのような身の上になってはその姿勢をとることさえできないからだ。どんなに力をこめて右側へひっくりかえろうとしてみたところで、いつもからだが揺れるばかりで、またもとの仰向けにもどってくる。目をつぶって、わざと悪あがきする足のほうを見ないようにして、おそらく百回も試してみた。とうとう脇腹のあたりにそれまで感じたことのない、軽い鈍痛をおぼえだしたので、やっと彼はあきらめてやめた。
ああ、なんという骨の折れる職業を自分は選んだのだろう、と彼は考えた。明けても暮れても旅ばかりだ。商売上の苦労は、店舗でやるのとは比べものにならないほど大きい。そのうえ、汽車の連絡への心配とか、不規則でまずい食事とか、しょっちゅう相手がかわるだけで、どれもこれも永つづきしない、ほんのうわべばかりの人間づきあいとかいったような、出張販売にはつきものの辛労があるわけなのだ。そんなものはみんな悪魔にでもくれてやればいいんだ。なんだか腹の上のあたりが痒くなってきた。頭を十分にもたげてよく見ようと思って、仰向けのままベッドの柱のところまでからだをのろのろ動かしていった。痒い箇所は見つかった。小さな白い斑点ができているだけだが、それが何なのか彼には見当もつかない。足の一本でそこへさわってみようとしたが、触れた瞬間、冷たい戦慄が身うちを走ったので、すぐさま足をひっこめた。
彼はまた元の姿勢へもどって仰向けに寝ころがった。あんまり早く起きてると、人間はばかになる、と考えたからだ。人間には睡眠が必要なのだ。実際、ほかのセールスマンときたら、まるでハレムの女たちのような暮らしをしているではないか。一例をあげると、こうだ。受けた註文を書き写すために自分が午前の間に旅館へ引きかえしてみると、いまやっと紳士連中ときたら朝食のテーブルにすわりこんだところなのだ。ところで、そんな真似をお店で自分がやらかそうものなら、即刻、馘になってしまうだろうな。こんな仕事が自分に誂え向きかどうか、他人様にわかってたまるもんか。もしも両親のことを考えて辛抱するのでなかったら、とっくの昔に暇をもらいたいと申し入れ、店主の前へまかり出て、心の底にわだかまっている思いのたけを洗いざらいぶちまけてやったことだろう。そうしたら、あいつはぎょうてんして事務机の上から落っこちるにちがいない。とにかく自分だけは一段高いところへすわりこんでいて、机の上から見おろして使用人と話をするというのは、いかにも奇妙な流儀ではないか。おまけに店主は耳が遠いときているから、使用人のほうはぐっと傍へ寄らねばならないのだ。ところで、そんな希望を自分が全然あきらめてしまうにはまだ早すぎる。両親があいつから借りた負債を払ってやれるだけの貯金さえできたら――それにはまだ五、六年かかるかもしれないが――是が非でも自分はやってみせるぞ。そうなると、たいしたもんだ。さてと、自分が乗る汽車は五時だから、そうだ、まず起きなくてはなるまい。
たんすの上でかちかち鳴っている目覚まし時計のほうを彼はふり仰いだ。しまった、と思った。もう六時半なのだ。針のやつがゆったり回っている。半をすぎて、もう四十五分に近い。目覚ましが鳴らなかったのだろうか。いや、四時のところへちゃんと掛けてあるのが、ベッドからでも見える。すると、たしかに鳴ったわけだ。いったい、あの家具を揺るがすような、喧しい音を平気で眠ったまま聞きのがせることがあるだろうか。ところで、自分はたしかに安眠できなかったはずなんだが、すると、たぶん、その後でぐっすり眠りこんだのかな。だが、いまさしあたって自分はどうしたらいいのだろう。すぐ次の汽車は七時に出る。それに間に合おうと思ったら、気ちがいみたいなさわぎをやらかして急がねばならぬ。見本はまだ包んでなかったし、ご本尊も活発に動きまわりたい気がちっとも起こらないというわけなのだ。たとえ汽車へかつかつ間に合ったとしても、店主の雷のような小言は避けられそうにもない。商会の小使は五時の汽車で着くのを待っていて、もう自分が遅刻したことをちゃんと報告していたからだ。あの手合いときたら、それこそ背骨も脳味噌も足りないくせに、店主のお気に入りなんだからな。病気といって報らせておいたらどうだろう。そいつも不愉快なばっかりで、効果は眉唾ものだな。なにしろグレゴールはいままで五年間の勤務でただの一度も病気にかかったことがないのだ。たぶん、あの店主のことだから健康保険組合の医者をつれてのこのこやって来るかもしれないし、そのあげくには怠け者の息子のことで両親へ食ってかかり、いくら抗弁してやっても、いや、健康状態そのものには申し分なくて、仕事嫌悪症の人間があるだけだなんてぬかす保険医の言いぐさを盾にして、こちらにみなまでものを言わせないだろう。だが、こんな場合、非はまったく自分のほうにあるのかな。ところで実際は、長い間眠った後にしては不自然なほど残っている眠気は別として、グレゴールは気分がさっぱりして、はげしい空腹さえかんじているのだ。
なかなかベッドを離れる決心がつかないままに、これらのことの全部を大急ぎで考えていると、ちょうど、目覚まし時計が六時四十五分を打って、ベッドの頭のそばのドアを用心ぶかくノックする音がした。
「グレゴールや……」と、声がする。母親だった。「もう六時四十五分だよ。行くつもりじゃないのかね」
じつにやさしい声だ。それに返事をする自分の声を聞いて、グレゴールは自分でびっくりした。まぎれもなく自分のもとの声にはちがいなかったが、なんだか下のほうからひびいてくるようで、しかも抑えることのできぬ、苦しそうな