アメリカの移民のコミュニティのそれぞれの苦悩と小さな夢とラブロマンスの物語がミュージカル仕立てで、HIP HOPとラテンが楽しい。泣ける曲もある。
親から譲り受けた雑貨屋？向こうのコンビニ？を営むウスナビと美容室でネイリストをやりながらダウンタウンでデザイナーの道を目指すヴァネッサ、タクシー会社従業員(配車係やってる)のベニーと、社長の娘でコミュニティから有名大学に進学したけれど挫折しそうなニーナ

コミュニティではスペイン語が飛び交いドミニカやプエルト・リコなどからの移民の子だったりして、不遇な暮らしをしてる

曲の時系列はごちゃごちゃしちゃうんだけど、楽しいカーニバルな曲"Carnaval de Barrio"(実はこれでHazbin Hotelのカミラとヴァギーの人が歌ってると知って興味を持った)もある一方で、期待に応えられず帰郷して悩み途方に暮れたり、子供の頃の思い出を語り合ったり、宝くじが当たったら何をするのか浮かれて夢を語ってみたり。でも。

ニーナの帰郷を祝うパーティーが終わった後に停電が起きて、帰った人もまた家に集まるんだけど、アブエラ(コミュニティのみんなのおばあちゃん)が"Paciencia　Y　Fe(忍耐と信仰)"で電車に乗るシーン、背景はミュージカルの舞台みたいでダンサーがアブエラに語りかけてくる。過去を思い起こしながらも前に進んでいく、のかと思いきや、実はあれは走馬灯だったのかなって……その後のシーンを思うと既に泣いちゃう。
ALABANZA(褒め讃えよ)(追悼曲)、しんどい……アブエラ死んじゃうなんて……

そんな一方でウスナビは悩みながらもドミニカに帰ることを夢見たり、ヴァネッサはダウンタウンを目指したり。

ニーナは酷い仕打ちを受けても戦うと決意を決める。ベニーとニーナが壁を歩きながら踊るシーン大好き。しっとりした曲調も素敵。

ウスナビは結局、故郷にある親の店を買うだけ買って(アブエラが残してくれた宝くじも支払いとして預けたし、あのあとどうなったのかな)ワシントンハイツの店に残ったけど、作中の海はイメージ映像だったのか〜！憎い演出！でも話を聞いてた子の1人はウスナビとヴァネッサの子なんだね、よかったね……

とにかく総合的に歌が良すぎる。海外ミュージカル映画大好きな私にはたまらない一作でした