お姉さんがいなくなってから、もうすぐ20年になる。私はあの人にたくさんのことを教わった。冬があんなに温かかったこと、夏をもっと暑くする方法。あとは女に生まれた理由とか。いろいろあるけど、いちばんはウソのつき方。「あたし、あと1年したらあなたのお嫁さんになれるよ」って。はじめはウソだって気づけなかった。本気にしちゃった。それでもまだ、もしかしたらって思うこともある。そのたんびに嫌いになる。お姉さんはもう帰ってこない。だから私も帰らなかった。お姉さんの記憶を漂白するためにいちばん遠い大学へ、ずっと遥かな旅に出た。でも、ダメだった。その記憶はあまりにも深いところで、いまも私を構成している。自分を消すだなんて、大層な度胸はなかった。20年を費やしてようやくわかったことだ。どうせなら、これもお姉さんに教わりたかった。私は意気地なし。だからもうすぐ、20回目のウソをつく。私の心は、いつまずい













